花咲いたブタちゃん走り ●マンガ・アニメの感想・考察・レビュー●

毒舌・批判・絶賛あり。作者さんの意図とか考えを想像するのが好・き!

7/14のハンターハンター 感想②セリフのテンポ、映画的セリフ、右脳的技法

■感想②セリフまわしのテンポ良さ
 
●記号の利用
 
ハンターハンターでは、ヒソカの「◆」や
チードルの「会話→対象」というような記号がふきだしの中に出てきます。
こういうのはキャラづけのために、各漫画やラノベにもよくあります。
 
しかし、冨樫先生は、キャラづけであると同時に、
記号を本質的な記号として、また会話のテンポアップ・メリハリに
非常にうまく活用しているなあ、と感じます。
 
今週号で一番そう思ったのは、最後の1ページですね。
(セリフ合ってないですけど)
 
「決めるんだ①ジンが去るか、②パリストンが去るか」
「いや、違うね」
「③おまえら全員が去るか!」「④全員が死ぬか!」
 
①や②を入れることによって、
特に情報量の多い今週でしたが
“すっきり見やすく”“わかりやすく”なります。
 
また一番大きい影響は、テンポが良くなることですね!
 
①を使っていなければ、
「決めるんだ、一つ、ジンが去るか、二つ、パリストンが去るか」
…と、「一つ」を読まなければいけなくなります。
そうするともともと1テンポで読めていたセリフが2テンポになってしまいます。
 
この1ページの良さは、大きく4つのテンポがあって、
「決めるんだ!」
「間」
「ジン」
「パリストン」
と絵とセリフを一緒に視覚情報として受け取り、ぽんぽんぽん、と
読めるところがいいのですが、そのポイントは記号を利用しているところだと思います。
 
 
●映画的セリフセンス
 
他にも、視覚的にも音読的にも、冨樫先生はセリフまわしが
非常に流麗なのが有名ですよね。
 
これは、冨樫先生が映画をたくさん見てきたことによって
培われたものじゃないかと思います。
 
映画こそ、音声・字幕版ともに、
テンポ・字数・きちんと伝わるように、かつ最もそぎおとして
身軽にしているメディアだと思います。
 
 
●じっくり読んでも、読み飛ばしても読みやすい
 
冨樫先生のすごいところは、「じっくり読み派」にも
「パラパラ読み派」にも読みやすいところです。
 
今週なんかは特に、十二支んがコメントしているところは、
「じっくり読む人」と「読み飛ばす人」に分かれるでしょう。
 
じっくり読んだら読んだで、複雑な内容がわかりやすく、
かつキャラクターの個性が出ています。

読み飛ばしたら読み飛ばしたでも、
キャラクターの個性と最低限の情報は入ってきます。
 
 
そこがすごいですよね。
映画も、じっくり観る人と、何かしながらであったり
途中で寝てしまう人もいると思います。
そのあたりも似ていますね。
 
 
●右脳的技法
 
「話は面白いんだけど、読んでてワクワクしないな」
と思う漫画は、テンポが悪いです。
「じっくり読み派」のみしかできないようになっています。
 
なんていって、私も漫画家を目指したことがあるので、
テンポってどうしたらいいのかはわからないんですよ…。
でも、やっぱり、一読者としては、そう感じてしまうんですね…。
 
個人的な感想ですけど、
めだかボックス」は、面白いけど絵が邪魔だな~って印象でしたね。
西尾維新先生って、「セリフと設定の面白さ」だけを
ピックアップするような作風じゃないですか。
 
セリフまわしが、文章用になってしまっているのではないかなと、
だから大ヒットまで行かなかったのではないかなと、勝手ながら思うわけです。
 
進撃の巨人は、久々にテンポが上手い漫画だったと思います。
(諌山先生も映画好きでしたよね)

 
萩尾望都先生は、その読みやすい・理解しやすいコマ割、
セリフまわしというのを、理論だてて説明しておられました。
残念ながら詳細は講演会出られなかったのでわからないのですが。
右脳的に左まわりになるようにコマづくりしているとかなんとか…
今度調べておきます。
 
松本大洋先生の「ピンポン」も、
1コマ内・一つの絵で時間の流れを表現していることから、
「アニメよりもマンガのほうが動いている気がする」
なんて感想もありましたよね。
 
 
 
…と長くなってしまいましたが、
「漫画をかく」ということにあたって、
映画に学べるものがたくさんある、ということですよね。
 
私は映画は疎いもので全然観ていませんが…
でも思えば私の好きな作家さんはみんな映画が好きですね。

 
とにかくハンターハンター、読めるうちはしっかり
楽しみたいと思います。