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花咲いたブタちゃん走り ●マンガ・アニメの感想・考察・レビュー●

毒舌・批判・絶賛あり。作者さんの意図とか考えを想像するのが好・き!

諫山創×皆川亮二「the Killing Pawn(ザ・キリング・ポーン)」 感想 これからのヒット作へのヒント

>「進撃の巨人」の諫山創が原作を手がけ、「ARMS」「ADAMAS」の皆川亮二が執筆する新作読み切り「the Killing Pawn(ザ・キリング・ポーン)」が、8月6日発売の週刊少年マガジン36・37合併号(講談社)に掲載される。諫山が「進撃の巨人」以外の作品を発表するのは、今回が初めて。

諫山創原作による皆川亮二の読み切り「the Killing Pawn」の1コマ。
 
 
ということで、感想です。
 
感想難しい作品ですね。
 
ちょ…う!ううん!?みたいな感じで読んでました。
 

 

 
 
■あらすじ
 
将棋漫画かと思いきや、
主人公だけ将棋ではなく、駒を打つ衝撃波で
将棋の名士達を物理的に倒していく。
というギャグ漫画。
 
 
 
■感想
 
ギャグはすごく面白かったですね。
始め衝撃波で本当に吹っ飛んでいたのには
「本当にケガしたの!」とびっくりしましたし
 
新聞に「内臓破裂 病院送り」と書いてあったのも
「それでいいのかよ笑」と笑いましたし
 
一番個人的に笑ったのは
最後、主人公と名人が戦っている中で、
観客の女の子が言ったセリフ。
 
「もしかして…主人公さんは、将棋は素人!?」
「そんな素人の主人公さんに、ネチネチと理詰めで
追い詰めていく歴戦の名人…なんて…」
「なんて卑劣なの!?」
 
卑劣じゃねーだろと!笑
 
 
将棋の名士を物理的に病院送りにし、
それで将棋で勝ってることになってるし
なんなんだこの世界観は
 
 
…と思いつつ、最後は主人公が警察にお縄になるという
「やっぱりダメなんじゃん!」
というオチ。
 
 
 
面白かったけど、やっぱり、皆川先生と諌山先生という
ストーリテラーの名手が二人そろって
「こんな出落ちギャグなのか!?」という気持ちは否めず。
 
おそらく壮大だったり一癖も二癖もあるような
ドラマティックな読み切り作品を
期待していた読者も多かったのでは…。
 
しかも、皆川先生は、それで良かったのか…!?
などなど、色々感じてしまいました。
 
 
 
■おふざけではないだろう
 
諌山先生のブログをチェックしますと、
「漫画が面白い、かきたいと思った原体験は、
皆川先生のARMSを読んだから」
とあります。
 
そんな思いれ深い、
大尊敬している大先生なわけですから、
まず「こ~んな出落ちギャグにすれば
ギャップにびっくりして、読者はみんな
驚くし笑えるだろう~」
なんて軽い考えなわけではないはずです。
 
(そもそも、そんな軽薄な考えはしないと思いますし、
講談社側もOKしないと思いますが。
そんな感想を持たせかねないくらいの作品だったので一応)
 
 
 
■何を狙ってたのかな?(言いだしたのは誰?)
 
まあでも諌山先生は「後味が悪かろうとも、
読者をびっくりさせたい」という志向性の持ち主なので
「皆川先生がこんなギャグ漫画に筆をとっちゃうんだぞ~」
という、多少悪趣味な発想はあったかと思います。
 
皆川先生は大先輩・大ベテランながら
重厚なストーリーばかり描いてきていますから、
若手とのコラボでもないと、ギャグ漫画を描く機会もない。
 
そもそもは講談社側がたきつけた企画だと思います。
 
 
諌山先生から皆川先生に「合作しましょうよ~」とは
性格的にも絶対言えないと思いますし
かといって立場的に皆川先生からも言いにくいと思うんですよね。
大ベテランすぎて。
ですし、二人の距離感を察するに、鳥山明桂正和のように
仲が良いわけでもないと思いますし、意気投合までも
キャリアが違いすぎてできないと思います。
 
しかも諌山先生は、今、講談社の稼ぎ頭として、
通常の連載以外にも「一挙二話掲載」をしていたり
外伝の原作をしていたり監修をしていたりと
お忙しいわけじゃないですか。
 
諌山先生からこれ以上仕事を積極的に増やそうとは
思わないと思いますし、
皆川先生じゃなくても、気さくに諌山先生の
仕事を増やすような事はできないと思うんですよね。
 
 
でも講談社としては、ここらで、
合併号でもあるし、週マガの売上をドカンと増やしたいわけですよ。
 
七つの大罪」アニメ化もするし。
 
(全然関係ないけど、「聲の形」も確実にアニメ化するでしょうね。
 10巻くらいまで出たら。2016年秋か冬くらいでしょうか。
 勝手に予想。とゆうか妄想。楽しみ~。
 雨宮天ちゃんとかが出るんだろうな。)
 
新連載も重厚なSF少年漫画だし。
(これも2017~2018年中にはアニメ化しそうです。確実に狙ってます。)
 
 
ドカンと売上伸ばすにはどうするか。
 
アニメ化、新連載、大型作家読み切り…。
 
大型作家。
 
ベテランだと若い読者を取り込めない。
 
話題の作家といえば諌山創。
 
でもさんざん仕事させまくっているから、目新しくコラボ。
 
かつ、重厚なストーリーだと時間も手間もかかる。
 
編集「前、ギャグ漫画の話、雑談でしたじゃないですか。
   あれ、皆川先生とやりましょうよ。
   読者もびっくりしますよ。話ももうほぼできてるし。」
 
 
みたいな話だったんじゃないかな~。
皆川先生も、読者をびっくりさせるのお好きですしね。
(どちらかというと、ハラハラドキドキさせたいのかな?)
 
 
 
■ギャグ漫画のポストスタンダード(シリアスな笑い)
 
監獄学園もアニメ化するじゃないですか。
私は連載第一回からアニメ化絶対するだろうなと信じてましたけど。
 
埋め込み画像 1
 
「絵がめっちゃ上手い」×「ツッコミ役不在のギャグ」
 
って、今風(ポストスタンダード)なギャグ漫画じゃないかと
思うんですよ。
 
 
うすた京介出現以降
「しょうもない登場人物」×「すごく派手なつっこみ」
(ジャンプ系によくある「うおおーーーい!」ってやつ)
 
がすごく流行りましたけど。
 
(10年以上流行ってるよね~。銀魂とかギャグ漫画日和もそうだし、
磯部いそべえもそうじゃん。ジャンプはいつまでうすたチルドレンで
ギャグ枠埋めるんだよ、と。
ガンガンや一迅社、他ラノベなどのオタク系でもそうだし。
最近ではむしろ古臭い、痛々しい手法とまで思いますよ。
本家のうすた先生がやると面白いんですけどね)
 
 
そこでいくと、テニスの王子様も今や
ギャグ漫画枠になってしまいましたし
バクマン。」内で出た「シリアスな笑い」を
意図的に採用したヒット作が多いわけです。
 
思えば私の好きなシドニアの騎士
極黒のブリュンヒルデも、そもそも進撃の巨人
シリアスな笑いを意図的なのかな~採用していますよね。
(多分ですけど…意図的じゃなかったとしても、
 シリアスな笑いには確実になっちゃってます)
 
 
講談社はもともと大衆的というよりは
マニアックな作家が多いですから
新たなジャンルを開拓しているのかもしれませんね。
 
 
 
■飽和化したと思われた「漫画表現」に新鮮さをスパイスするためのヒント
 
好意的に考えると、今回のコラボは
①「こんな絵が上手いのに、こんなにバカバカしい漫画でもいいんだ(シリアスな笑い)」
②「スタンダードすぎて形骸化・記号化しつつある表現を
 メタ的に利用することで、今の時代だからこそできる
 トリッキーな表現に昇華できるんだ」
みたいなメッセージはあったかもしれないですね。
 
この二つの手法は、
進撃の巨人」でフル活用されていると思いますし
進撃の巨人」がヒットした理由でもあると思います。
 
 
進撃の巨人は絵は上手くはないですけど、演出はピカイチじゃないですか。
 シリアス調な作品の中で、シュールギャグをぶっこんできますよね。
 
②「大型巨人」「鎧の巨人」の正体こそ、
 「仲間」「絆」がフォーマット扱いされた作品じゃあできない
 「意外性」だと思います。
 
 
そういえば、同じこと(②)を冨樫義博先生の「レベルE」を読んだ時にも思いました。
「まんがあるある」な展開と思わせた伏線をはっておいて、逆手にとるという
トリッキーな作品だなあと。
 
 
 
 
進撃の巨人」ヒットから学ぶ
新たなヒット作への挑戦については、
色々と思う節があるので、
またまとめようと思います。