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花咲いたブタちゃん走り ●マンガ・アニメの感想・考察・レビュー●

毒舌・批判・絶賛あり。作者さんの意図とか考えを想像するのが好・き!

寄生獣 アニメ キャラクターデザイン変更 拒否反応が多い理由

寄生獣 10月よりアニメスタート
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前の日記に書いたとおり、
不安なのは時代の変化が作品に影響を及ぼすかどうか。
 
 
寄生獣が連載されていたのは1990~1995年。
 
作中ではケータイなんて出てこないし、
ヤンキーが出てきます。
 
主人公も、はじめは普通の男の子だったのに
髪型をオールバックのような不良風にすることで
成長とはまた違う“変化”を表現しています。
 
 
 
■2014年アニメ化にあたって変化する部分
 
キャラクターデザインと担当された平松禎史氏のブログ。
 
 
>ということで、現代(あるいは将来)に起こり得ることとして
>見て頂くためにごく表層的なアレンジを施した上で、
>内奥の本質には一切手を触れる必要はない、との考え方で
>取組むことにしたのです。
>(これはボクの私見だけでなく、当初から
>監督以下メインスタッフの共通認識でした。)
 
 
…とありますが、
​この「ごく表層的なアレンジ」について、
原作ファンの中で話題になっています。
 
●新一
普通の男の子→ メガネをかけた少しオタク風?
 
●加奈
ヤンキー少女→ そばかすギャル
 
●田浦
自衛隊のような身体的運動能力が高そうな殺人鬼
→ 薬やっちゃって刃物ふりまわしてそうな
  ボサボサ頭のパーカー着た殺人鬼
 
 
まあ正直、原作ファンは内容見てないのに文句言いすぎですが
私も心配な点としては一点あります。
 
 
 
■テーマは同じでも、表現が変わってしまう?
 
寄生獣は「現代における人間の歪(いびつ)さ」
「人間らしさって何だっけ?」ということに
真摯に・正面から立ち向かった作品です。
 
 
そして平松禎史氏がブログで触れているのは
「実は20年経つ今でも、本質的な問題は変わっていない」
「テーマは20年後の今ですら、全く共通する」
ということでした。
 
だからこそ、テーマは全く同じ。
 
むしろ、「20年前と今、テーマが同じだ
(変化してないじゃないか、という警鐘も含めて)」
ということを浮き彫りにするために、
 
あえて「20年前の作風」ではなく
「今風」にしました。
 
ということを言っていると思います。
 
 
 
それは納得です。
 
 
しかし、我々が一番恐ろしいのは
 
「現代の人間からは人間性が失われてきている。
 なぜならインターネットによる
 非対面のコミュニケーションが増えたからだ」
 
みたいな、月並みな説教として
受け取られないだろうか、という点です。
 
 
 
■現代の問題を取り上げるゆえに、
 結局現代風の解釈しかできなくなってしまうのではないか
 
20年前はネットがありませんでした。
原作では、「人間性」の問題として
主に環境問題をとりあげることが多かったように感じます。
 
自分達の利益のためなら、他者のことはどうでもいいのか。
 
人間を優先して、自然、地球、他の動物のことはいいのか。
 
でも実は、「自分」と「他者」にどれほどの違いがあるだろうか。
溝があるだろうか。別だろうか。
 
そういった問いかけが多く出てきます。
 
 
それが「今風」にアレンジされたために
「自分さえよければ他人なんてどうでもいい」
(例えば、電車で自分さえ席に座れれば
 妊婦さんが立っていようが知ったこっちゃないぜ、
 というような考え)
に問題がスライドされないのかが怖い。
 
 
 
殺人鬼・田浦のデザイン変更が一番拒否反応が
多かったのはそういった理由だと思います。
 
原作では人間性が欠落した殺人鬼。
 
しかしアニメデザインを見てみると、
なーんかよくある陳腐な
「親に愛されなかったからグレた、
 こんな世の中クソだぜ」
みたいな鬱屈を抱えたキャラクターに見えてしまう。
 
 
そのあたりを考慮して描いてくれれば
全く問題はないのですが
 
もし、表層として顕在化している問題までも
「今風」にしてしまった場合。
 
結局ワイドショーのコメンテーター達のような
「ネットが悪い」
的なお手軽な「今風」の問題提起と
一緒にされてしまう可能性がある。
 
 
そうすると、結局
「20年前と今ってテーマ同じなんですよ」
というメッセージは
深ヨミする原作読者にしか伝わらなくなってしまう。
 
寄生獣のテーマがやもすると
「ネットが悪いな。うん。」
と勘違いされてしまうかもしれない。
 
 
キャラクターデザインの変更に拒否反応を
示している人達は、そういった可能性をデザインから感じ、
抵抗を覚えたのではないでしょうか。
 
 
 
いや~私もただの説教くさい、「仲間が大事だぜ!」
みたいなアニメになっちゃったらやだな~って
思ってます。
 
でもうまく現代風アレンジしてくれるなら
原作そのままよりも、せっかくアニメなんだし、
そっちも見てみたい。
 
しかし…
ミギーが平野綾ってなんだよ。
 
実際聞いてみないとなんとも言えないけどさ。
 
かなり抵抗感あるよ。
 
男だろ、普通。
 
 
まあまずは見てみましょう。
そして「セイの格率」という副題があるとおり、
全くの別モノとして見るのが一番楽しむコツかもね。