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花咲いたブタちゃん走り ●マンガ・アニメの感想・考察・レビュー●

毒舌・批判・絶賛あり。作者さんの意図とか考えを想像するのが好・き!

『食戟のソーマ』原作:附田祐斗、作画:佐伯俊 感想

マンガ 食戟のソーマ

食戟のソーマ』原作:附田祐斗、作画:佐伯俊 感想

 

食戟のソーマ 1 (ジャンプコミックス)

食戟のソーマ 1 (ジャンプコミックス)

 

 

食戟のソーマ』(しょくげきのソーマ)は、原作:附田祐斗、作画:佐伯俊の日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)2012年52号より連載されている。


これも、キンドル電子コミックで1巻が無料だったので読んでみました。

正直な感想。
めっちゃ面白い!し、素晴らしいエンターテイメントコミックじゃないですか!!


ジャンプで連載中の料理漫画なわけですが、連載開始当初、料理を食べた後の反応がエロい、一発ギャグ漫画的評判を耳にしていました。

「あー、最近よくある、ご飯食べて女の子ウマウマ反応系ね」

と思って、読んだことありませんでした。


正直9巻まで一気買いしてしまいましたが、
褒めるところがありすぎて、まとめきれないですよ!

こんな素晴らしい漫画は久々です!!!

 

 

…と言いたいところですが、ちょうど前回記事にてとりあげた
「クオヴァディス 感想」でも同じことを言ってしまっているので、オマエの久々はどれだけあるんだ、という話になってしまうのですが。

「クオヴァディス」の素晴らしさが、ストーリー、構想、緻密性だとすれば、「食戟のソーマ」の素晴らしさはアイディアと演出、その質と量ということになります。

いやーもう、電子コミック様様です。


■素晴らしいところ

●絵がきれい!
キャラクターの絵がかわいい、きれい、というのもありますが
主に思うのは下記です。

・構図の拡がりがウマイ!
キャラクター登場シーンで「ドン」とかなるのはよくありますが、目立たせたいキャラを目立つように俯瞰させたり、背景を遠目に書くことで拡がりを見せたり、コマ割も構図も角度もキャラ配置も、非常にうまい!


・描き分けがウマイ!
キャラクターめっちゃくちゃ出てくるわけですが、そうなると良くあるのが「苦しいデザイン」が増えてくる。めだかボックスとかブリーチとか…
しかし本作のキャラクターは、みんな見映えも良く、またキャラクターの特徴も良く表れています。学園モノ・料理人モノとなると、服装が制服・エプロンと限られてきてしまいますが、うまいものです。


・小道具がウマイ!
主人公のハチマキの使い方、長髪キャラクターの髪の結びほどき、おじいちゃんのはだける服など、うまいなあ~~っと思います。


●キャラクターがウマイ!
・やなやつ、いないんですよ~~~!
それでいて、薄っぺらくないんです、みんな。

なんだかんだ、悪い人はいます。主人公の実家である定食屋を潰そうと、すさまじい嫌がらせをする地上げ屋とか。

巨乳の女なんですけど、自分で店の食材を全てぐしゃぐしゃにしておきながら

「客が注文してるってのに、何の料理も
提供できないのかしらあ~~~!?
もうこんな店、潰しちゃえばあ!?
調度、看板もラクガキしといてやったわよおっ!!」

とか言うわけです。

でも主人公が、残った数少ないありあわせの食材で美味しい料理を作る。

巨乳女、食べる。

「うっうま~~~~~~!!!!」

と赤面して涙して料理を食べつくす。

「もう潰そうとなんてしませんっ
 むしろこんないいお店、大事にしますうっ」

と言って帰っていく。

他にも嫌なキャラクターは出てくるものの、料理を出されるとニコーッとするんです。


よくある成敗モノですが、陳腐な説教で心を入れ替えるとか悪い奴を力でねじふせて「ざまあっ」みたいな違和感や卑しさみたいなものがないところがいいですね。


お高くとまった権威たちも、変に見栄をはる人達ではなく、いいものはいいものとして評価してくれるし、それも上目線ではなく「料理のファン」として評価してくれるので、とても好感がもてます。


・主人公が気持ちいい奴
主人公チート系漫画は、意外に「勘違い君」とか「優遇されすぎじゃね?君」とか「余裕ぶちかましスギで普通にやなやつ君」とか多いわけですが、

本作の主人公も一見してそれ系かと思いきや、チートなのは裏に努力があるからだし、未熟なところもあれば負けることもあるし、でもそれにウジウジしないし、
敵対関係者に悪態はついても、その後ちゃんとライバルとして認めあえる、いい主人公です。


・キャラ一人一人のエピソードも良い
普通はただの解説役になってしまったり、謎のお色気担当になってしまったり、長期連載ゆえの矛盾を抱え始めたりするものですが、キャラクターは全員一流の料理人になることを志しています。

落ちこぼれキャラでもできることから一歩一歩頑張っていたり…
解説役でも「私もあの場に立ちたかった…」という悔しさがあったり…
ちゃんと「人物」として全員が生きているところが素晴らしいです!


また、キャラクターごとに得意ジャンルがあり、(肉とかイタリアンとか麹とか)それがまた陳腐になっちゃったらダメなんですけど(なんでそれにそんなこだわるの?とか、本末転倒じゃない?とか)ちゃんとキャラクターたちが料理人としてのプライドを持って料理しているため、変な一発料理とかはほとんどない。

むしろ料理ってこんなに奥が深いのか、と感じさせます。

つまり、黒子のバスケ(記号)的ではなく、スラムダンク(ドラマ)的だということなんですよ~~。

 

●アイディアがウマイ!
・「料理」だからこその「バトル」もののバランス調整が絶妙!
先ほどの「悪いやつ」とか「敵」とか「上から目線の人」が一気にほがらかになるのは、それは「料理」が決して、誰かを傷つけたり倒したりするものではないからなんですね。

基本的には人を幸せにするもの。

だから、本質的にギスギスしなくて済みます。

また、料理において「勝負」はするものの、本当に「勝ち負け」があるわけでもありません。片方がマズかったから片方が勝つ、などではなく、どちらがより美味しかったか、今回のテーマに沿っていたか、などで一時的に判定されていくに過ぎません。

そしてキャラクター全員が純粋に「美味しいモノ」が好きだということ。
それは読者の私たちも決して例外ではありません。

なんというか、非常にポジティブな作品だと感じます。


また、中二病マンガあるあるの「異名」とか「得意技」とかですが料理から出しているから、「むりやり感」がないんですよね。

 

・そもそも料理のアイディアがすごい!
全て実際に作れて、そして美味しそう!
変に奇抜でもない。

私も料理漫画は好きですが、本当に毎回びっくりします。

「え…?何この見かけ…。しかもふりかけご飯?のり弁?はあ?」

「えっ!?ま、まさかっ!」

「うわー、うまそー!味もそうだし、アイディアがすごいっ!」

と、まんまと騙されています。
(私がバカなだけかもしんないけど。)

しかもですね~~
この質と量がすごいですよ。
1話につき1~4料理は出てきますもん。
週間漫画なのに、よく毎週こんなにアイディアを出せるなと。

しかも、本当に「捨てアイディア」みたいなのがなくて、キャラクター一人一人が真剣に、自分の料理人人生かけて考えたっていうクオリティなんですよ。

脱帽です。


●ギャグがウマイ!
サムいギャグばっかりの昨今、この漫画はギャグがうまいです。

おもしろいし、テンポをくずすこともなく、キャラをイジメていたり、誰かが嫌になるようなギャグはありません。


ギャグそれ自体がストーリーの伏線になっていることもあり、絵の華やかさとあいまって、とてもワクワクしながら気持ちよく読める作品です。

 

 

絶賛してしまいましたが、まだまだあります。が、手が痛くなってきたのでこのへんでやめます。

なんだかんだ、一番私が感動しているのは「アイディアの質と量」です。
いくら作画と原作を分けているとはいえ、手抜きがなく、全てに驚きがあり、しかもそれをトーナメント戦の時なんかは1ページごとに料理が紹介されていて、なんて贅沢な漫画なんだと。


私が知らないだけで、実はパロディー満載なのかもしれませんけど。

この「アイディアの質と量」だけでも十分戦っていける漫画だと思いますが、他に挙げた
「絵としてのキャラクター、構図、コマ割、演出」や
「キャラクターの気持ち良さ・真面目さ」
「ギャグのバランス感」
これら一つ一つだけでも、作品として成り立つ魅力があると思います。

(どれ一つもない漫画のほうが多いと思います)


もう10年くらいハンターハンターこち亀しか読んでませんでしたけど、さすがジャンプ、侮りがたし、ですね。

ちょっと感動してしまいましたよ私は。


※特に、田所恵ちゃんが好きですね~~~!
あの落ちこぼれ時代の回想などがあると、それだけでも泣けてきます。