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花咲いたブタちゃん走り ●マンガ・アニメの感想・考察・レビュー●

毒舌・批判・絶賛あり。作者さんの意図とか考えを想像するのが好・き!

NARUTO ナルト 考察 こうなっていればもっと良い作品だった【前篇】

マンガ
NARUTO ナルト 71巻まで読みました~~
 
読んでみて、先日のグダグダでヒドイ、という感想から、印象は変わりませんでしたが、後倒ししていた問題がようやく回収されたので、ペイン戦付近と比べると面白かったです。
 
さて、20年台ジャンプを代表する看板作品の一つでした。
 
評価はどういう見方をすべきか悩むところですが、あくまでも「週刊漫画」として評価されていたのでしょう。「単行本一気読み」としては、わかりにくくて評価しにくいところです。
 
何度も言いますが、「第一話・第一部」は素晴らしかった!それが、第二部に編集部による引き延ばしに遭い、ストーリーが不自然になってしまった。
 
わたしは決して「ダメな作品」として位置付ける気はありませんが「もったいなかった作品」として、こうしたら良かったんじゃないか、という点で話していきたいと思います。
 
 
★というか、完全リメイク版出してくれないかな。
最近アニメとかでも、TV放送版(240分)を劇場版(130分)にまとめて放映してたりするじゃないですか。
「もうひとつのNARUTO-真-」とか出れば、全30巻でも買いますよ、ファンも私も。
 
 
下記さわります。
■キャラが多い
■因縁のつけすぎ
■各キャラの動機が薄い
■なぜナルトをヒーローにしようと思ったのか
■サスケというキャラクターと動機
■弱点をつくるべきだった
 

 

 
■キャラが多い
多い。もったいない。最近観た「楽園追放」なんて、メインキャラクター3名ですよ。モブが4、5名程度。それでも壮大なSFアクションと、生命哲学がありましたもんね。
 
テンテンとか、見せ場なかったんじゃないの?
 
そして人物が多いゆえに、覚えられないし、戦闘についても考察しようがなくなってしまった。
 
 
★改善ポイント
①人柱力・尾獣が9は多い。ストーリー的に3か4で良い。
 
②五影も全員は出なくて良かった。
雷影はキラービーの後ろの存在程度で良かったし、水影も、全体のピンチの時にふと顔を出してサポートするくらいで良い。また、それぞれ従者が2名ほどついていたが、これもいらない。
 
③暁いらない。半分くらいで良かった。
 
④鷹いらない。サスケ一人で良かった。サスケのキャラとも矛盾するじゃん。
 
⑤サイいらない。キャラとしてはイケメンだし好きだけど、いらんかった…
 
⑥中忍試験、3チーム制である必要はあったのか?
ナルト・サスケ・サクラの連帯感を高めたかったんでしょうが、3チームにすることで、ライバルをつくるたび、キャラ数がかける3になってしまう。連帯感を高めるエピソードや動機を別に作れば、テンテンやシノといった不遇のキャラは増えなかった。
 
⑦エドテンセイはだめ。
やるならやるで、壮大な犠牲が必要なものにして、せいぜいマダラと初代火影だけにすべきだった。(術者が死ぬとか。)2代目・3代目・4代目火影はエドテンする必要なかった。
 
 
メインキャラだけでもこれで20人程度減るので、
ストーリーに厚みを持たせやすくなります。
 
 
 
■因縁のつけすぎ
キャラが多いうえ因縁が多いのでグチャグチャ。
ナルトとサスケ、ナルトとガアラ、三忍とその弟子、ナルトと長門…とかなんとか。
 
因縁はいいんだけど、特にナルトと対比構造になっているキャラが多く、素直に読めない原因になっていた。と思う。
 
 
■各キャラの動機が薄い
ハクとかガアラ、大蛇丸、ダンゾウとかはまあわかるんですよ。でも長門とかオビト、カブトとかはどやねん?という感じ。
 
カブトのエピソードは面白かったけど、それでも改心するのはどうなの?
 
薄いというより、一辺倒。
みんな幼少期の孤独というのは多かれ少なかれあるし、ガアラみたく「実は愛されてたんやで」とか言われるとどうなのよ。せっかく自分の足で立ちなおしたのに。
 
そして幼少期からずっと、いい大人が変化せずに同じ想いをひきずってるわけ?
どんな人生なんだよ。
キャラクターが薄い。
 
しかも回想シーンを多用することで、感情移入しなくてはならなくなる。
そして、誰か悪者を作らなくてはならなくなる。
実はその悪者がすべてマダラだった、っていうならそれでいいし、あるいは世界の理不尽だ、というなら理不尽な世界(現実的な世界)でなくてはならない。作者の作品哲学がない。
 
あとサクラちゃんも活躍させないとねえ…
 
 
 
 
★改善ポイント
・ガアラ…
砂の里の冷たい掟はしかたない。でもちゃんと自分の足で立った。
 
大蛇丸
ただのマッドサイエンティスト。圧倒的知的欲。だから知的好奇心のためなら敵味方は気にしない。木の葉崩しをもくろんだのは、秘密の巻物を奪いたかったから。えーとあと3代目火影の遺伝子情報が欲しかったから。
 
長門(ペイン)…
正直このエピソード自体必要なかったと思われる。ただの悲しき戦争孤児。何か別の意志に操られていた…?(カグヤの伏線)
 
・カブト…
ただのバカ。自分がないゆえ、虎の威をかる狐。殺されて死ぬ。(そもそもイタチをエドテンしちゃダメ)
 
・オビト…
実はマダラを名乗っていたのは、本当のマダラではなかった、という展開なのはいいけど、オビトじゃないほうがいい。
 
カカシ先生が無駄に目立っちゃうし、ナルトとは何の関係もないし、普通の元気な男の子がこんなふうに歪んでしまう説得力は薄い。
 
それこそさー、例えば死体を操られていたイタチとかのほうがドラマチックじゃない?マダラからしたら「うちはの血は操りやすいのだ、フハハ」とか言わせて、すれ違うサスケとナルトが一時共闘するんですよ。だからサスケが憎んでいたイタチは、実はマダラに操られていたイタチだった、とかさあ。
 
 
 
■なぜナルトをヒーローにしようと思ったのか
ここは作品の根幹にかかわるところです。
 
ガアラ編までは「孤独でも頑張ったナルト、でも仲間が救ってくれた」の対比として「仲間がずっといなかったガアラ、でもナルトが救ってくれた」は本当に美しかったです。ナルトの孤独はイヤだ、という想いも強く感情移入できました。
 
後半はなぜか「世界を救うナルト」という位置づけになり、キャラクター全員までがそれをナルトに期待するようになりました。
 
これは一定読者からすると不可解なのですがチビッコ読者にはウケが良かったんでしょうか。
 
自分で「救世主になる」とか「戦争は俺が止める」とか言い始めましたけど、なぜそう思うようになったのか不明。だし、そんなの独善的でおかしい。最終的にもチームワークではなくなってしまったし。
 
九尾からも「お前は失敗しない」とか言われてましたけど、むしろ少年漫画テーマとしては「失敗しそうだろうがなんだろうがやる」というのが正しいテーマだと思います。このへんは編集部がどうというより、作者の倫理観が破たんしています。
 
そもそも、話の根幹が「サスケを救うナルト」なのだとすれば、サスケには倫理的NG行為をさせてはいけない。「正しいナルト」は「正しくないサスケ」を裁かなければならない。サスケが倫理的NGなのであれば、サスケは最終的に死ぬべき。(物語としてね)なのでナルトがサスケを救う物語にしたかったのであればこれまでのサスケの行動はだめだよな。読者的には、もうナルトの「サスケを助けたい」という気持ちは、理解できなくなってしまう。
 
 
★改善ポイント
「世界を救うナルト」にしても、力づくではなく、「ジジイにやる気を与える」とか「シカマルにヒントを与える」、とか。
 
 
 
■サスケというキャラクターと動機
一番の問題でしたよ、ここは。
「イタチに復讐する」までの動機はわかりました。でもそのあと、「イタチを利用した木の葉をつぶす」は意味不明でした。そこから40巻くらいあったので謎のまま。そのあとも「やっぱ火影になる」とか意味不明でした。作品の根っこですよ、ここは!ここに感情移入できないと、もう作品として破たんです。結局作者は「できそこないだけど頑張りやのナルト」のことしか考えてないんですよ。
 
 
■弱点をつくるべきだった
アクションについてですが、弱点があれば良かった。
正直技は派手ですが、後半何が効くのかとかさっぱりわからなかったし、読者としては考察しようがないのでワクワク感もない。弱点さえあれば、弱き者でも集中すれば勝てるわけで。
 
そうしたらストーリー上にも厚みが出たと思います。
 
 
 
後篇に続く。
後篇では、「こんなストーリーだったら良かったのでは?」を書きます。