「エンジェル・トランペット」1~6巻 赤石路代 感想 ウイルス感染した子供たちの話 続きが気になる!
「エンジェル・トランペット」1~6巻 赤石路代 感想

エンジェル・トランペット 1 (フラワーコミックスアルファ)
- 作者: 赤石 路代
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/01/10
- メディア: コミック
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■あらすじ
大震災により、子供を超能力者に変えてしまうウイルスが茨城にてばらまかれてしまう。子供に宿った超能力の中には、無意識的に人を殺してしまう力もある。そのため、子供は収容され、監禁されていた。主人公はそこから逃げている9歳と4歳の姉弟の話。
なかなか面白い!
■ストーリーが気になる
大人たちは国ぐるみで、ウイルスの出どころを隠ぺい。情報操作で無実の医薬メーカーに罪をなすりつけたり。超能力のある子供たちを利用しようとしていたり。「超極悪人」というよりは、「まあいるだろうな、こんな悪い大人。」という現実味のある胸糞加減。
それを能力のある、捕まっていない子供たちがのらりくらりと逃げていく。4巻くらいになると、招待不明の能力者が、大人に復讐しようとしている。
途中、DV男やロリコン教師などしょうもない大人が出てきますが、子供が倒しちゃうところは、少しスカっとしつつ、なんだか危ういな(倒しちゃっていいのかな)とうまい塩梅。
赤石路代の作品の良いところは、主人公が健気で強いところですよね。4歳の弟は人を触ると無自覚に殺してしまうこともあるそうなんですけど、9歳の主人公が手を握っていると4歳が力を発動していても、人を殺さないで済むんです。
でもそれを、4歳が生まれた瞬間からずっと面倒みてきているので、9歳はずっと、自由奔放な4歳のことを気にしていないといけないんですよ。かわいそうったらないです。
■いまいちなところ
その4歳が自由奔放すぎるんですよね。警察なども信用できないから、子供二人で国家権力全般から必死で逃げてます。
でも普通の大人だって、子供二人が平日に外をうろうろしていたら「学校はどうしたの?」なんて気にしてくるから、9歳の神経のはりっぷりが痛ましいくらいなんですよ。
でも4歳は隠れていないといけないときに「おなかすいた」と騒いだり、電話したら探知されるっつってんのに電話したり。それで探知されて、お世話になっている人の家を放火されちゃったりするんですよ。
全て「悪の組織が悪いんだ」という展開になってはいますが、4歳がほとんど問題を引き起こしているわけで。周りの人を巻き込まないために、9歳がこれだけ気うかってるのに…。
4歳だったらもうちょっと空気読めると思うけどな。
赤石路代は子供を守ろう、というマンガを描きながら、子供をバカにしすぎではないだろうか。
いや、バカにはしてはいないんだろうけど、話的にはピンチにならないと進まないから、子供の無邪気さを盾にしているわけで。そのへんがしっかりしていると、もっと名作らしい名作になるんだけどなあ。
でも、次がとっても気になるので、最後まで見続けたいと思います。