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花咲いたブタちゃん走り ●マンガ・アニメの感想・考察・レビュー●

毒舌・批判・絶賛あり。作者さんの意図とか考えを想像するのが好・き!

マンガボックス「オンライン the comic」原作:雨蛙ミドリ、作画:キョカツカサ 感想 マンガ的技法は拙いが作品軸が面白い

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マンガボックス「オンライン the comic」原作:雨蛙ミドリ、作画:キョカツカサ 感想

オンラインThe Comic
マンガボックスで毎週1話ずつ無料配信されている「オンライン the comic」。
 
マンガボックスはキバヤシさんが創設者だということで、
これは読まなくては!と使命感を感じた私だったが、
いざラインナップを見てみると、なかなか微妙なのだった。
 
んー、まあまあ話題作揃い?ポスト「このマンガがすごい!」(このマンガがすごい!に入るのが面白いマンガかは考えどころだが)みたいなラインナップ。
 

悪の教典やマルドゥックスクランブル、攻殻機動隊はコミックス持ってるし、

他は何かの二番煎じモノばかり。
寸劇の巨人なんて全然面白くもなければ萌えすらない。
 
 
そんな中でも4作は読んでいて、
・オンライン the comic
・ホリデイラブ
・ミュージアム
・なぜ東堂院聖也16歳は彼女ができないのか?
 
この中でも、マンガボックスを定期的に見ようと思ったキッカケがこの「オンライン the comic」。

 

 
◼︎あらすじ
もともとは携帯小説かなにかで人気を博してコミカライズされたらしい。
 
ある日主人公(女性、若い、美人、社会人)の元に、突然ゲーム機が届く。中身のゲームは本当に死ぬ可能性のあるゲームだが、ゲームを捨てたり止めたりしても、死んでしまうという。
 
説明書もないしさっぱりわからないながらも、なぜか色々助けてくれるオドオド系イケメンのおかけで、なんとかなる。
 
世の中はそのゲームのせいで死んだり、身体機能を失ったりとする人が現れ、、大混乱に陥っていた。
ゲームをクリアして、生き延びようと頑張る話。
 
 
◼︎珍しいところ
命懸けゲームは、ずいぶんメジャーなジャンルですが、これが変わっているのはあくまでもゲーム機に向かってゲームをしているところ。
 
例えばカイジだったりブトゥームなんかは生身の肉体で、戦い合いの状況下におかれてゲームを進める。
例えばソードアートオンラインやノーゲームノーライフなんかは、ゲームの世界に入って閉じ込められてしまう。
 
そのほうが見映えがいいので圧倒的に常套手法だと思うのですが、
本作でそれらの手法は取り入れられておらず、
ひたすらゲーム機に向かってカチカチやってる。
 
 

◼︎良くないところ

そのせいで、全くマンガとしての絵に動きがない。
元が携帯小説だから仕方ないとは思うけど。
絵がキレイでカワイイので見ていられるけど、ヒカルの碁とかハチワンダイバー(将棋)ですら、あれだけ奥行きのあるアクションを描いているのだから、そこは、ただ文字を絵にするんじゃなくて、頑張って“漫画”にしてほしいなあ、と思う。
 
あと、似たような問題だけど、
ゲームの説明文(10行くらい)の文字が小さすぎ。
しかもサラっと出て終わりで説明がない。
「あんまり重要じゃないのかな?」と思って読み飛ばすと、
そのあと、それを読んだ主人公が「なんだって!?」みたいに驚く。
 
でもそのあと、説明するときもあればしない時もある。
これが読みにくい。
このへんはコミカライズ担当の技量の問題だと思う。
 
(モーニングの新連載「バトルスタディーズ」なんかはそのへんがすごく上手かったですよ。

DL学園という野球強豪高校の五カ条の理不尽さに、キャラクター達がびっくりするシーンがあるんですけど、五カ条を何回も連呼して見せてくれたので、いちいち覚えなくて済みましたもん)

 
◼︎ではなぜ動きの出そうにない設定にしているのか
先の例でいくと、生身肉体系はサバイバルな緊迫感を、異世界系はファンタジーなものを、描きたいのだと思われる。
で、この作品が何を描きたいのか、というのは、実はその「ゲームそのもの」を描きたいのかな?と思う。
 
サバイバル系やファンタジー系は、主人公に共感してもらったり、ラブコメになって結局「キャラクターもの」になってしまう。(カイジはなんとも言えないけど…。まあ一種のヒーローもの。)
 
本作は「ゲーム機を操作してゲームする」、という設定にしていることで、現実世界とゲーム世界のメリハリがよくついている。むしろ、現実世界での意識のほうが強い。

更に、主人公が社会人というのも変わっていて、このゲームの被害者の会とか、組織として攻略していく会社などが世の中に設立される。主人公はその会社の中で、既にある膨大なノウハウとデータ、援助体制を受けながらゲームを進めていく。

そのような中で考えるのは、「このゲームの主催者は何を考えているんだろう?」ということになる。
 
サバイバルに身を置いたり、異世界に入ってしまえば、取り急ぎ目先の生きながらえることでいっぱいいっぱいになり、「ゲームの主催者の狙いとは?」という点は作品の謎であっても、作品の主軸にはならない。
この本作においては、ゲーム機を触るのは労働時間と同じくらいだから、ちゃんとプライベートがある。しかも恵まれた環境で、会社という多くの仲間がいる状態。
 
様々な人のプレイを見せながら、会社という多角的な視点で攻略している。これは、「このゲームの本質とは何か?」を解き明かすには必要な要素だと思うし、現実世界に常に引き戻すことによって「ゲーム主催者の狙いとは?」を考えさせる、キャラクター軸ではなく、舞台設定軸の物語なのかな?と思う。
 
 
 
そんなわけで、私の中ではマンガボックスの看板作品になっております「オンライン the  comic」。興味ある方は是非ご一読くださいませ。
 
(アプリインストールしなくてもWeb環境があれば無料で読めます)