読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

花咲いたブタちゃん走り ●マンガ・アニメの感想・考察・レビュー●

毒舌・批判・絶賛あり。作者さんの意図とか考えを想像するのが好・き!

女性向け漫画の“ゴール”考察 と、「市長 遠山京香」 全巻 赤石路代 感想

マンガ
「市長 遠山京香」 全11巻  赤石路代

 

市長 遠山京香 (1)

市長 遠山京香 (1)

 

 

まさにおばさんのための水戸黄門物語。
「エンジェルトランペット」で久々に赤石作品を読んだら面白かったので
また全部キンドルで買ってしまいました…。
 
(余談ですが、やっぱり赤石作品は「P.A」が一番好きです)

 

 
■あらすじ

 

市長 遠山京香 (1)

市長 遠山京香 (1)

 

 

横浜を模した架空の舞台「華浜」。
その女市長遠山京香が、市内のゴミ問題、介護問題、
イジメ、災害対策、政治金癒着問題などなどを
快刀乱麻に解決していく話。
 
 
■感想
まさに勧善懲悪だなあと…
名香智子の「マダム・ジョーカー」を読んで思ったのですが
40代以上女性向け作品というのは、
悪者撃退モノが多いのですね。
 
 
女性向け漫画の“ゴール”考察
(独断と偏見が入ります)
 
 
★~小学生低学年
友情と将来の夢(漫画家とかパティシエとか)、
ファンタジーな使命
 
…希望に満ち溢れている、毎日が楽しい、
 はやく大人になりたい
【ちゃお】【なかよし】など
 
 
★小学生低学年~中学生
クラス内の人間関係
恋愛(片想いから両想いになるまで)
ファンタジー・伝記モノ
 
…学校が楽しくもあり、人間関係に悩みはじめる。
 恋に恋する年頃、恋愛がゴールであり頂点
【りぼん】【少女コミック(これはエロだけど)】など
 
 
★中学生~大学生
恋愛(片想い・両想いから結婚まで)
部活・青春もの
ファンタジー・伝記モノ
 
…人間関係の悩みは慢性的なものに。
 青春(恋愛も友情も部活とかも上々)が頂点
【フレンド】【マーガレット】【花とゆめ】など
 
 
★大学生~20代前半
恋愛(モテない女がいかにモテるか)
仕事(の中でいかに恋するか)
 
…かなり現実路線に。
 恋にファンタジーは持ちつつ、そんなの現実にあるわけない。
 でも期待しちゃう。
 
 結局「モテない」レッテルのジャンルが追加、
 恋する環境が学校から職場にチェンジしただけ。
【あれ、なんだろ。少女漫画疎いのでわからん。デザートとか?】
 
 
★20代半ば~30代半ば
恋愛(モテない人生を歩んできた女がいかにモテるか)
仕事(の中でいかに恋するか)
結婚(ただ結婚しただけでは幸せではない、恋が大事)
婚活(の中でいかに恋するか)
人生訓(短編が多い。歴史もの、ミステリー、様々)
 
…「★大学生~20代前半」と違うところは、
 「モテない」がより悲惨になっているところ。
 
 「★大学生~20代前半」では、
 「あ~あ、友達の○子は美人で可愛いけど、
 わたしには何の取り柄も無い…」くらいだけど
 
 「★20代半ば~30代半ば」では、
 「30歳、一度も付き合ったことない、処女」
 くらいになる。
 
 また、仕事で悩んでいようが結婚で悩んでいようが
 結局は恋のパワーで解決する。
【kiss】など
 
 
★30代~50代
(50代は漫画黎明期に生きてきた世代なので漫画好きが多い。
 60代以上は女性ではあまりいない)
 
嫁姑問題
子育て問題
世の中の生活問題(介護、ゴミ、パート、不動産など)
事件もの(ミステリー)
人生訓
若者が主人公で、年長者に教えを乞う系
 
…人生の苦をいかになくしていくか。
 いかに人生を深めていくか。
 世の中は(少なくとも自分の身の回りは)どのように良くしていけるか。
 
 基本的に主人公はすべて既婚が前提。
 愚痴っぽい人や悪い人への成敗系が多い。
 
 
 
■ふたたび「市長 遠山京香」の感想
 
悪い大人に関しては「ああ、いるだろうな」というレベルの悪いやつなので
現実味があり、そういう人を成敗するのは確かにせいせいする。
 
が、成敗の仕方として、
遠山市長や周りの人々があまりにも聖人君子すぎたり、
しかも「そんなうまくいくかよ」と思わざるをえないほど
たまたまうまくいくので、ご都合主義感はすごい。
 
ご都合主義というよりも、よくここまで「やることなすこと全て正しい」
人間を描けるなあと思います。
 
 
※例えば、水害対策の回。
 
水害対策の課が全然真面目に調査と工事をしないので
遠山市長は怒っていた。
 
しかしその課は遠山市長を快く思っておらず、
汚職事件をでっちあげて、遠山市長を辞職に追い込む。
 
遠山京香はまた市長選で立候補するが、
投票日の最終日、雨が降っていたため
水害対策ができていない町が心配でかけつける。
 
「万が一」の心配をした遠山京香は住人を一次避難させる。
 
住人は「家に帰りたい」「本当に水害なんて起きるの?」ともらしたり
水害対策の課の人は「あんた市長でもないのに勝手なことをして、
責任とれるのか」とどやしたりする。
 
 
結果、土砂くずれで町は壊滅。
「遠山さんの言っていたことは本当だったんだ!」と
遠山京香は市長に返り咲く。
 
(汚職事件も解決する)
 
 
 
これなんかは、土砂くずれで信頼回復していてなんだかなあと。
住民からしたらとんでもない被害をこうむっているわけだし。
 
介護問題に切り込んだときも、
はじめは「人手不足」問題から入っていったのに
結局は経営者が介護助成金の不正受給をしていたり
性格が悪いやつだった、とかで終わってしまう。
 
けっきょく介護のイメージ悪くしてるじゃんか!と複雑になりました。
人手不足問題はどうなったんだと。
 
 
 
あと根底にあるのは悪い人はみんな男。
女の悪人はだいたい2パターン。
 
①男に騙されていやいややってた
②バカでチャラチャラしているが、ちゃんと話すと心優しい子
 
 
まあオバチャンが読むならこういうほうが読みやすいんだろうなと。
私もこういうの読んで喜んでるのは心が疲れてるなと思った。
でも勧善懲悪ものはすっとします…。