花咲いたブタちゃん走り ●マンガ・アニメの感想・考察・レビュー●

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まんが道(デジタル版) 藤子不二雄A 1~25巻(全巻) 感想 共感性が高く、時代も感じさせられて面白い

まんが道(デジタル版) 藤子不二雄A 1~25巻(全巻) 感想

ふと読みたくて買ってしまった。
一冊450円くらいだから、全部で約11250円か~…

2~4週間に一回ほどこういう買い物しているなあ…衝動買いとしては可愛いものだが…。


■あらすじ

藤子不二雄Aの自伝。

主人公の名前は満賀 道雄(まが みちお)。
富山県高岡の中学生だったか高校生だったか、いち手塚治虫ファン。

親友の才野 茂(さいの しげる)とともに、
漫画を描くことに情熱を燃やし、漫画雑誌に投稿する日々。

クラス内ではチビであることをからかわれてしまったり、
学年のマドンナに話しかけられて一喜一憂したりと、
非常に人間的な日常が中心に描かれる。


そこから上京、コンビでデビュー、
売れっ子新人から原稿を6本も落とし、信用が失墜…

手塚治虫との出会い、石森章太郎などライバルとの出会い、
トキワ荘を中心に、時代や業界が激動の変化を迎える渦中の物語。




■良い所

●主人公の満賀道雄が、とても普通の人だというところ。

満賀道雄藤子不二雄A)の自伝だからこそ、相方の才野茂藤子・F・不二雄)のことは名前のとおり才能の茂った、満賀のことを導いてくれる優秀な相方として描かれている。

アイディアは豊富だし、締切前でもすぐ休憩をとろうとする満賀とは対照に、非常に勤勉。

投稿作を郵送する際などは、「これでデビューしちゃうかも」と妄想したり、才野と比べて「自分だけ落選したら嫌だな、落選するならいっそ二人で落ちたい…」と思ったりと…


共感性が非常に高い分、二人の作品が入選したり、初めての原稿料で大喜びしたり、という一つ一つにも非常にジーンと感動するものがある。



共存の時代が感じられる

電話が気軽に使えない(電話が限られた場所にしか無い)ので、すばやく連絡したい場合は電報だったり、家に直接尋ねに行ったり、すれ違ったりと、今の感性からすると「こんなに非効率的なのか」とびっくりします。

出版社から原稿依頼されても、「作家さんの感性に任せますよ、○日までに8ページお願いします」くらいの依頼で、途中打合せやネーム確認もなく、作家が「完成しました」と持っていく。編集者がそれを読んで「うん、いいですね。ではこのまま頂戴します」で終了。


「漫画」という分野が未開拓だったことや通信インフラ、その他もろもろの様々な時代背景があって、今とは全然違う時代であることが非常に面白いです。

お金がなくご飯が食べられない、というのも、ファストフードやコンビニ弁当が充実している今からは考えられないほど、ひっ迫した問題のようです。


だからこそ下宿したり、お金をかしあったり、仕事を手伝ったりと、共存して生きている時代だなあというのを感じました。

2日徹夜くらいはあたりまえ、忙しいときは4日徹夜など普通にやっていて複雑…。


布団で寝るのも週1回くらいだったり、
お風呂も月数回だったり…。




■良くないところ

特にありませんが、最後が突然終わってなんのこっちゃでした。笑

23巻も「みんなでラーメン食べに行こう!」「ああ!」「アハハ…」


「ああっ!!!!」


8人は全員同時に大きな光を見た!

それは漫画というきらめく星の光だった!


未完!


これを見たときは「えっ!?」となりました。
でも普通に24巻~25巻もありましたけど。

25巻の終わりは特に何もなく終わって「あれ?」という感じでした。

そのあと続編で「愛、すぎさりし日々…」的なタイトルのものがあったので、1巻だけ読んでみたら、

連載不調の主人公たち、
絶好調の石森章太郎
それを見ても特に焦りもしない主人公たち…

何かが終わりかけている…

だらっと感。


ちょっとショック。

荒木飛呂彦の漫画術で、「主人公は常にプラスの方向で動いていないといけない、ウジウジ期間やダラダラ期間が長いと読者はイラついてしまう」と言っており、「まさしくそうだ」と感じた。


せめて才野くんがドラえもんを描き始めるあたりまでは見たいけどな~。



■感想?

仕事というのは、自分を変えるためにあるのだなというふうに感じた。

作中では、締切の大切さを実感した。締切を守らないことで、本当に多くの人に迷惑がかかるのだなと。

人として、締切どおりに進捗しない、なんだか筆が進まない、やりたくなくなっちゃう、という気持ちは痛いほどにわかりますが、


そういった弱い自分を押さえて、やるべきことをやる、


というのは漫画家に限らずどの仕事でも同じこと。


どの仕事だってミスはするしやりたくない時はあるけど、いかに人に迷惑をかけないか。プロだと自負してまっとうするか。

それができる「まっとうな自分」「プロ意識のある自分」まで、自分を高めることができれば、それから別の仕事についてもやっていけると思う。


若いうちはそういう自分になるための修行だ。

仕事とはそのためにある。

と、わたしは思いました。


仕事は自己実現のためだ、なんて普段言うとほとんどの人には嫌な顔をされるし、中には「社畜だね」と言われることもあるけれど、

自己実現のためにはお金、協力者、実力が必要で、仕事ではそれらを全て獲得することができる。

自己実現なんてウザったい、と感じる人はいるだろうけど、じゃあ何のために生きているのか?


生きることに目的を見出す必要は必ずしもないけれど、もし楽しく生きたい、幸せに生きたいと思うのであれば、自己実現はマストだ。

社会は安定していないわけだから。


私がバカだな~と思う人は、だいたい社会は安定しているものだと勘違いしている。だから、ろくに仕事できていないくせに「給与が低い」だとか、「プライベートの時間も欲しいから仕事の時間が作れない」なんて発言をする。

一度世の中の仕組みから勉強してみたらいかがでしょうか?



話がめっちゃそれましたけど、
働くとはなんぞや、ということも考えることができました。

必死に生きる人生はとてもドラマチックです。