花咲いたブタちゃん走り ●マンガ・アニメの感想・考察・レビュー●

毒舌・批判・絶賛あり。作者さんの意図とか考えを想像するのが好・き!

魔法少女プリティ☆ベル 18巻 感想 新しいラスボスのテンプレの流れ

作者: KAKERU

ついに発売しました!

勝手に個人で2015年漫画大賞を決めるとしたら、
KAKERU作品一式だったかなと思います。

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天空の扉 最新7巻
たたかえ!悪の組織ダークドリーム!シリーズ 最新3冊
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人にオススメはなかなかできません…。


どれも表紙・タイトル詐欺だし
エロだし
絵が一番変態なタイプの萌えだし…。


でも本当に面白いです。
ハンターハンター並みのストーリテリング…というと褒めすぎかもしれませんが、
今日びこれほど

「現実的で」
「意外性があり」
「ひきつけられる」
作品はなかったなあと思うのです。


だいたいどの作品も
「意外性をつきつめるとファンタジーよりになっていき」
「現実性をつきつめると意外性がなくなっていく」
じゃないですか。

これは仕方ないかなと思っちゃうんですが。


一種「プリベル」もファンタジーだからできるのかな。

いまアニメやっている「GATE 自衛隊」もですけど、
現実的な政治や軍事の話とファンタジーは、実は相性がいいのかもしれない。


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■あらすじ

よくある魔法少女もの。

…と思いきや、そういった「戦士」が必要になった背景は何か、
を、天界と魔界の政治・軍事的構造をまじえて展開した作品。


内容的には、
よくある魔法少女アイテムが、普通の小学生女子を見定めた。
彼女はそれで魔界の悪者と戦う使命を持つはずだった。

しかし、「子供に戦わせるのは良くない」と思った
日本人男性ボディビルダーがたまたまその魔法少女アイテムに適合し、
ボディービルダー魔法少女になってしまう。


本来人間界は、対魔界・天界に対しての武力を有してはいなかったが
(というよりは黙認されてはいるものの、別次元なので関与していない)

魔界・天界に何らかの異常がおきた場合、
人間界の武力として目覚めさせられる。


魔界は東西南北4つの陣営に分かれており、
それぞれ自治しつつ冷戦状態?

天界は対魔界に対して異常な敵意を示している。

キャラクターが大量に出てくる群像劇でありながら
「常にある」政治的・軍事的危機に対し
「どう考えていくべきなのか」が展開されています。


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■良いところ

集団的自衛権を理解できた

私はあんまり頭がよろしくないので、
ニュースで集団的自衛権と言われても、俯瞰できなかったんですよ。

安保についても、調べてみても、
本質がわかっていないので
「考えるための素材が足りなさ過ぎて考えられない」
「でもどの素材が必要なのかわからない」
状態でした。

お恥ずかしながら…。


でもこの漫画を読んで、本質がわかったので考えられるようになりました。



★敵は「バカ」

でもって、良いな~と思うのは、
「敵はバカ」ってことなんですよね。
「すっごい力を持っている強大な何か」ではなく。

パワーインフレももちろんあるものの(魔王クラスとか出てくるわけですし)
そこは軍事なので技術力やノウハウによって蓄積されている裏付けがあります。

で、バトル自体はパワー対パワーではなく、
パワーはあくまでも手段であり交渉道具であり抑止力、
読み合いVS読み合いなんですよね。

まあ…戦争って良く考えたら読み合いVS読み合いですけどね。


なのでもちろん、読み合う敵は軍事的パワーを作ってきたりするので
パワー対パワーと言えなくもないんですけど、
結局のところ、一番予想外で足をひっぱられるのは
しょうもない「バカ」が出てきて、
ぐちゃぐちゃになったりするんですよ。

でもその「バカ」のほうが、
人間らしくていいよな~だったり、
まあ普通にこういうバカいるよね、うざいなっていう現実感があって、
非常にうまいなあと思います。

バカはバカなりに、こざかしいところが発達していたりして。




★新しいラスボスのテンプレ

最終的な部分は「強大な力をもった何かとのパワーの読み合い」になると思いますが
大人が何かをなしえようとしたとき、
政治的に物事を動かそうとしたとき、
邪魔をしてくるのは敵ではなく「バカ」ってことなんだなと。

それをどう御すのかというのが、
また大人のミッションなのだなあと。


そして一番やっかいなのは、
「バカ」ではなく、目的が根本からズレている頭のいい愉快犯。


ハンターハンターのパリストンとかもそうですけど、

パワー対パワーが飽和したいま、
新しいラスボスのテンプレができていく流れなのかな~
と思ったりしました。


いま、従来の「金かせぐ」資本主義も飽和していると言われているじゃないですか。

「持っている者が勝つ(パワー主義)」

という価値観から変っていきているのでしょうね。


そこでいくと次は「ネットワークを持っているものが勝つ」という感じなのかな。
ありていに言うと「協力し合う」という表現もできますけど…。



長くなっちゃったけど、一気に作者作品買い集めたくらい、
面白いです。
18巻の感想になってないけど。


ちなみに個人的には

1 プリベル(ルラがいいキャラ)
2 ダークドリーム(黄色ちゃんがツボ)
3 天空の扉(お姉さんの性格が都合良すぎるかなあと)

の順に好きです。


かしこ。